IT業界で疲弊しているSEの皆さん、流行りに乗ってIT業界に入ったが後悔している皆さん、こんな悩みを持っていませんか?
鬱リーマン
- IT業界を辞めたいが、次どの業界に行けばいい?
- どの業界がホワイトなの?
- ホワイト業界の特徴は?
- ブラック業界の特徴は?
今回はIT業界脱出で一番大切とも言える次の業界選びについてご紹介いたします。これは私の経験からも有効であった方法です。今回の記事は約15,000文字くらいの記事で約50分程度で読めます。
全ての事に言えることですが、一番大切な事は方向性です。どの方向に向かって進むか?最初のゴールを間違ってしまうと、いくら努力しても無駄になります。
この記事でお伝えすること
- なぜ業界選びが重要なのか?
- ホワイト業界の特徴 5選
- 業界別ホワイト度評価
- 業界別ブラック度評価
また、IT業界から脱出できるか不安に感じている方は、下記の記事も併せて読んでみてください。
私がIT業界から異業界転職は出来ると断言しているのか、データと私の経験を元に記載しています。
また、異業界への転職時のメリット・デメリット、デメリットの対策方法もご紹介しております。
リーマン
サバイバー
こんにちは、脱IT業界成功者のリーマンサバイバーです。
以前はITベンダー(SES)に勤めていましたが、無事にIT業界から脱出しました。
今は大手メーカーでワークライフバランスの取れた生活をしています。
しかも、ありがたい事に年収は300万円から500万円に増え、残業時間も60時間から15時間程に減少しました。
業界選びが全て -IT業界脱出に向けて-
結論から先にご紹介すると、IT業界から脱出する上で一番大切な事は「業界選び」です。いくら有能な人でも業界選びを失敗するとブラックな労働環境で働くことになります。
前回もご紹介しましたが、同じ水でも売る場所を変えると価値が変わります。その為、自分という商品をどの業界という売り場に置くか?これは非常に重要な選択です。
なぜなら労働環境を決める「人間関係」「残業時間」「賃金」「離職率」は業界に大きく相関しているからです。一番気を付けるべき点は「その業界自体の利益率」を見る事です。利益が少ない業界ほど労働環境が悪く、離職率が高い事に気が付くかと思います。
その証拠として、下記の苦境業界(業界地図)と新卒離職率の業界一覧をご覧ください。強い相関関係があることが図と一覧よりわかるかと思います。
苦境業界(業界地図)と離職率(厚労省)の分析
最初に業界地図のマッピングをご紹介いたします。この図では、利益率を縦軸、業界規模を横軸に取り各業界をマッピングしています。大きく分けてA~Dに各業界を区分しており、Aを苦境業界、Cを花形業界と位置付けています。(参照:東洋経済HP 業界地図、「会社四季報」業界地図 2024年版 単行本より)
次に、厚労省が公開している新卒離職率の高い業界一覧(参照:厚生労働省HP 離職状況)です。高卒就職者と大卒就職者にて分けて一覧化されています。
ここで離職率が高い業界が高い業界に注目すると、利益率が小さいAとDに位置する業界が多いことが分かります。下記一覧参照。
この一覧では、離職率の高い業界の半分以上(6業界)がA,Dの区分に位置する業界である事が判ります。よって、先ほど言った通り利益率の低い「苦境業界」と離職率の高い業界には強い相関関係があることがわかります。その為、転職先の業界としては、AとD以外の業界を狙うべきである事が判ります。
例外的な業界(不動産業界)
ただし、全てに当てはまるとは言い切れません。例えば、不動産業はC(花形業界)に位置しておりますが、実態としては多くの会社で過酷な労働環境を強いられる事が多々あります。
理由としては、現在(2023年現在)は不動産業は国の政策金利がマイナスになっており、住宅ローンなどの借金がしやすくなっています。その為、購入者が増加し業界としては売上高や利益が増加しています。逆に言ってしまえば、政策金利の上昇でC(花形業界)からA(苦境業界)に転落する可能性もあります。
過去にはリーマンショック(2008年)やバブル崩壊(1991年)などの景気後退時に、不動産価格の下落により多くの不動産会社が破綻し、不動産業界は壊滅的な状況となりました。(参照:三菱UFJ不動産販売)
つまり、不動産業界がC(花形業界)であるのは、業界の特徴や優位性から利益率が高くなっているのではなく一過性の物(政策金利の影響)であると判断できます。その為重要なのは、上記のような定量的なデータを解析し、ホワイト業界の特徴を掴むことが重要であると言えます。
では次に、狙うべきホワイト業界の特徴からご紹介したいと思います。
ホワイト業界の特徴
結論から申し上げると、ホワイト業界の特徴は下記の特徴に当てはまる業界となります。
ホワイト業界の特徴
- 高度な専門技術が必要
- 初期投資が大きい
- 法規制が厳しい
- ニッチな業界
- 公共性の高い業界
上記の特徴に当てはまる業界は参入障壁が高く新規参入企業が少なく価格競争による利益率の低下が起こりづらい業界と言えます。その為、その業界の会社では無理な働き方を強いられる事が少なく、定着率が高くワークライフバランスが取れた生活が出来る可能性が高くなります。
高度な専門技術が必要
高度な専門技術が必要な業界では技術者の人材育成やノウハウ構築などに数年から数十年掛かり、長期的な投資が必要となります。その為一度技術的に優位性を持つとシェアの独占が可能となり、競合他社との価格競争を行う事もなくなり利益確保がやりやすくなります。
このような背景から利益の低下による労働環境の悪化などは発生しづらく、比較的労働環境はいい業界と言えます。
IT業界も「1.高度な専門技術が必要」に該当するのではないかと思う方もいるかと思いますが、残念ながら今後は該当しなくなる可能性があります。なぜならAIやローコード、ノーコードの発達で技術的な参入障壁がどんどん低くなっていきます。
つまり我々が持っている技術は今後は陳腐化していく可能性が高いと言えます。その為、まだ我々が持っている技術の希少価値が高い内にIT業界から脱出する事を考えなくてはなりません。
初期投資が大きい
初期投資に多額の金額が必要な業界は、中小や個人企業が業界に参入するのは難しいと言えます。よって業界に参入できるのは資本力のある企業に限られます。
また初期投資が大きいということはそれだけ参入リスクが高い為、いくら資本力のある企業であっても新規参入に慎重にならざるえません。その為、参入障壁が高く新規参入企業との競争による価格競争が起こりづらい業界と言えます。
例えば、至近の実績では中外薬品が約500億円の設備投資を実施した実績などがあります(中外製薬HP参照)。その為、医薬品業界に参入する場合は、多額の資本がまず必要となり新規業界参入の高い障壁となっています。
法規制が厳しい
業界によってはサービスや製品の製造・販売を行う為には、法律に従って国(厚生労働省や経済産業省など)や都道府県知事の許可や登録を受ける必要があります。
例えば医薬品業界などは、薬機法に基づき厚生労働大臣や都道府県知事の許可や登録を受ける必要があります(薬事法ドットコム参照)。登録許可のためには、厳しい品質管理の立案・運用に加えて、薬機法などに精通した人材の確保が必要となり参入障壁が高い業界と言えます。
よって新規参入企業が限られ価格競争による利益の低下が起こる可能性は低いと言えます。
ニッチな業界
ニッチとは本来「隙間」という意味の言葉であり、ビジネス用語では大手企業が狙わないような小規模で見逃されやすい業界の事を指します。
例えば、医療機器の中の特定の治療方法に特化した機器を製造・販売する業界や、精密機械の中の特定の素材や技術を応用した部品や装置を製造・販売する業界がニッチな業界に当たります。
業界規模が小さいという事はデメリットでもありますが、逆に言ってしまえば一度シェアを取ってしまうと他企業の参入が難しいのが特徴です。そのため、企業間での価格競争による利益率の低下が起きづらくなります。
公共性の高い業界
公共性の高い業界とは人が暮らす上で必要不可欠なサービス・製品を提供している業界や経済活動を支える重要な社会基盤を担う業界を差し、例えばライフライン(水道・ガス・電気・通信)を支える業界や医療や公共交通機関(電車・バス・航空)が該当します。
人が生活をする上では必須のサービスである事から、需要変化や景気の変動による売上・利益の減少は起こりづらく、安定性が高いと言えます。
また、公共性の高い業界では例え経営破綻の危機があっても、税金の投入などによる国からの救済措置があります。過去の例では、JALの経営破綻が起きた際も国からの救済措置がありました。
お勧めホワイト業界
では、上記の「①高度な専門技術が必要」「②初期投資が大きい」「③法規制が厳しい」「④ニッチな業界」「⑤公共性の高い業界」という5つの観点からお勧めできるホワイト業界をご紹介いたします。
下記一覧表で各項目で点数付けを行い、ランキング形式にしております。また比較対象として一番下にIT業界も載せております。
化学業界
化学業界とは?
化学業界の主力製品としては、有機化学品(農薬・肥料)・石油化学製品(合成ラバー・プラスチック)・半導体素子(シリコンウェハー・フォトレジスト)・有機EL材料(ディスプレイ)などがあり、工業用製品だけでなく私たちの生活必需品にも多く使用されています。
専門技術
化学業界は高度な専門技術が必要とされる業界です。例えば、農薬や肥料の開発・製造には有機化学や生化学などの専門知識が欠かせません。
また半導体素子を製造する為には、半導体材料の表面化学・界面化学・コロイド化学などの高い専門知識が必要です。(参照:理化学研究所 HPより)
初期投資
化学プラント建設には、約10億円以上の多額の初期投資を要します。最近の例では、住友化学がインドへ新規工場を新設するのに、約50億円以上の投資を決定しました。(日本経済新聞 Web版)
法規制
化学物質の製造・取り扱いでは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)などの法規制を遵守する必要があります。
ニッチ性
化学業界は広大で多様な分野があり、ニッチな市場も数多く存在します。下記に代表的なニッチな商品群をご紹介いたします。ニッチな市場である事から競合他社からの参入も少なく利益率を確保しやすい市場と言えます。
公共性
先にも例を挙げましたが、化学業界は衣食住・医療・環境など多くの分野で必要不可欠な商品・サービスを提供している業界です。また最近成長が著しい半導体の材料や自動車部品も提供している業界であり、公共性は高い業界です。
以上の事から化学業界は参入障壁が高く新規参入企業が少なく価格競争による利益低下などが起こりづらい業界であり、利益低下による労働環境悪化は起こりづらいと言えます。
医薬品業界
医薬品業界とは?
医薬品業界では処方薬(高血圧治療薬・糖尿病治療薬・抗生物質など)、一般用医薬品(風邪薬・漢方薬)、バイオ医薬品(ワクチン薬・遺伝子組換え製剤)を開発販売している業界であり、私たちの生活と健康に深い関わりがある商品を取り扱っている業界です。
専門技術
医薬品業界では高い専門的な知識が必要となります。例えば、がんや難病の新薬開発では、分子生物学・遺伝学・免疫学・化学・医学などの専門知識が必要不可欠となり、幅広くかつ深い知識が必要な業界と言えます。
初期投資
新薬の申請・上市(市場販売)までは10年以上の年月と500億円規模の巨額投資が必要です。よって500億円の初期投資金額及び、利益回収までの10年間を耐えられる資本力が高い企業しかこの業界に参入はできません。(中外製薬HP参照)
法規制
医薬品業界はGMPやGPSP等の法規制順守が不可欠であり、法規制に沿った製造管理や試験が必要となり、参入障壁の一つとなっております。
ニッチ性
医薬品業界には比較的患者数が少ない疾患を対象とした医薬品の市場があります。競合も少ない為、価格競争も少なく価格は高単価になる傾向があります。また国からも希少疾患や孤児疾患の治療薬開発を支援する制度があります。
公共性
医薬品業界は、人々の健康と命に関わる製品を扱うことから高い公共性を持つ業界と言えます。例えば、癌・ワクチン・認知症の医薬品など幅広い層に必要とされる物を製造・供給している業界です。
以上の事から医薬品業界は参入障壁が高く新規参入企業が少なく価格競争による利益低下などが起こりづらい業界であり、利益低下による労働環境悪化は起こりづらいと言えます。
医療機器業界
医療機器業界とは?
医療機器業界は、医薬品と並んで医療現場を支える重要な存在です。診断・治療・リハビリテーションなど、人の命と健康を守るために不可欠な医療機器を開発・製造・販売する業界です。医療技術の進歩とともに市場規模は拡大しており、今後も安定した成長が見込まれています。
専門技術
医療機器は人の命と健康に関わる製品であるため、高い安全性と信頼性が求められます。その為、高い技術力が必要とされます。例えばMRI装置・人工心臓・内視鏡の開発製造などは制御工学・機械設計・画像処理・ソフトウェア工学などの高い専門知識が必要となります。
初期投資
初期投資についても、医療機器業界は設備投資・開発投資に多額の費用が必要となります。至近の実績では、テルモなどが新規工場に約520億円の設備投資をしています。つまり、初期投資として約30~600億円の資本を持っている企業しか参入できない業界と言えます。
法規制
法規制も厳しく定められており、医療機器の種類によって厚生労働省の許可(下記表参照)が必要となります。また承認・認証には、臨床試験や製造販売後調査などのデータ提出が必要となり、審査期間も長いことから参入障壁が高い業界と言えます。
ニッチ性
医療機器の市場規模は非常に大きく全体では、約4兆2,000億円ありますが、病状や年齢などによりニーズが細分化されており、ニッチな市場が存在します。
公共性
医療機器業界はインフラ業界と比べると公共性はやや劣りますが、人の命と健康を守るという意味合いでは高い公共性のある業界と言えます。また、日本では高齢化が進むなかさらに需要は高くなっていきます。その為、景気悪化による売上減少に陥る可能性は他業界に比べ低いと言えます。
海運・空運業界
海運・空運業界とは?
海運・航空業界は、人の生活(人の移動)と経済活動(物流)を支える重要な業界です。またグローバル化が進む現在では、航空輸送による短時間での輸送や大型コンテナ船による大量輸送は必要不可欠なサービスとなっております。
専門技術
海運・航空業界は高い専門性が要求される業界でもあります。例えば、海運会社では航海や気象・海象への深い知識、船舶機器・エンジン機関の操作スキルが必要であり、その他にも貿易実務・船舶検査(船級)など事務関係の仕事でも法規上の知識が要求されます。
初期投資
初期投資についても航空機・船舶などの大型輸送機には、約30億円以上の巨額な初期投資が必要不可欠です。下記が大型輸送機の大まかな投資額です。つまり、初期投資として約30~150億円の資本を持っている企業しか参入できない業界と言えます。
法規制
法規制においても航空法・海上輸送法などが厳しく定められており、高い参入障壁となっております。特に安全性について厳しく定められております。航空では航空機の耐空証明や整備記録や海運では総合安全統括管理者の設置などが義務付けられています。
(航空法:E-GOV航空法より、海上輸送法:E-GOV海上輸送法)
ニッチ性
海運・空運業界は業界規模の大きさやグローバル経済を支えているという面を考慮すると業界のニッチ性は低いと判断できます。また、業界規模は航空業界は2兆、海運業界は5兆を超える規模となっております。
公共性
海運・空運業界は私たちの日常生活に深く関わる基幹産業の一つであり、国内外を問わず物流を支えている業界である為、公共性はかなり高い業界と言えます。その為、収益性が悪化した場合でも、国からの補助金による救済措置が取られます。過去の例では、JALが2010年に事実上経営破綻しましたが、国からの救済措置を受け2012年に再度上場企業として復活をしております。(国土交通省HP 日本航空の再生 参照)
インフラ業界
インフラ業界とは?
インフラ業界は電気・ガス・水道・通信などの人が文化的な生活をする上で必要不可欠なサービスを提供する業界と言えます。一見地味で目立たない業界ではありますが社会を支える重要な業界です。
専門技術
インフラ業界は高度な専門技術が必要となる業界です。例えば、電力会社ではスマートグリッドによる電力系統のデジタル化や、水道では浄水技術(凝集沈殿法、膜ろ過法)など高度な専門技術が必要とされる業界です。
初期投資
初期投資についても巨額の設備投資が必要となります。発電所・ガス備蓄施設・浄水施設など、どれも100~3,620億円の初期投資が必須となります。その為、初期投資として約100~3,620億円の資本を持っている企業しか参入できない業界と言えます。
法規制
法規制については、昨今電気・ガスなどについては法改正が進み、2016年4月に電力小売事業者の自由化、2017年4月にガス小売事業者の自由化が始まりました。
消費者としては、価格やサービスの良い事業者の選択が出来るようになった反面、法規制が緩くなった為に販売を独占していた電力・ガス業界としては、価格競争に参加せざる得ない状況になりました。(電力自由化 経済産業省HP、都市ガス自由化 経済産業省HP)
もちろん発電・液化天然ガスの精製などについては法的な規制が未だありますが、国の政策上エネルギー関係の規制撤廃は今後も進むと想定されます。
ニッチ性
インフラ業界は業界規模や全ての生活において必要とされているという面からニッチ性は低いと言えます。業界規模については、1兆~40兆もの規模があり大衆向けの業界です。
公共性
エネルギーインフラ・水道インフラは人々の生活だけでなく経済活動にも必須である為、公共性はどの業界よりも高いと言えます。その為、収益性が悪化した場合でも、国からの補助金による救済措置が取られます。
皆さんも記憶にあるかと思いますが、東電の福島原発の問題でも、賠償金の補填として約15兆円もの交付国債(つまり国の借金)を発行しております。(NHK 東電への交付国債HP)
東電の件は一国民としては納得できない事案ではありますが、それだけ潰すに潰せない業界がインフラ業界であり、この業界の強みでもあります。
絶対避けたいブラック業界
次に避けるべきブラック業界についてご紹介いたします。先ほどご紹介した特徴の真逆の業界がブラック業界に当たります。つまり参入障壁が低く、新規参入企業が多い為価格競争による利益低下などが起こりやすい業界となります。
IT業界(SES)
IT業界(SES)とは?
IT業界と言っても多岐にわたる為、今回はIT業界で一番割合が高いSES(システムエンジニアリングサービス)に絞って評価いたします。SESの特徴としては下記が挙げられます。
- 客先のオフィスに派遣されて、技術的なサービスを提供
- 派遣契約とは違い、指揮命令権は客先ではなく雇用企業にある
- IT業界ではSESの割合が一番高く92%を占める。
- プロジェクト毎に人が集められ、プロジェクト完了後に契約が終了する
- 自社ではなく客先のオフィスが勤務先となる
専門技術
IT業界(SES)では、現在は他の業界に比べるとやや高い専門技術が必要とされる業界ではあります。ですが、今後AIやローコード・ノーコードの発達で技術的な参入障壁はかなり低くなっていきます。
初期投資
初期投資については、人件費以外ではオフィスやパソコン関係しかかかりません。またSESについては、客先常駐のため社員全員分の広さのオフィスを確保する必要性もありません。その為、多くの中小企業が参入できます。よほど画期的なサービスを作らない限りは、価格競争にさらされる業界になります。
法規制
IT業界(SES)には、法規制は特にありません。あるとすれば「業務委託契約」ぐらいです。それも現在まともに遵守している会社の方が少ない状況です。(SESと派遣の契約、指揮命令関係の違い参照)
ニッチ性
IT業界(SES)のサービスは幅広い分野で使用されており、ニッチな分野でも使用されてはいます。しかし、残念ながらすぐに他社からの参入され、その分野は飽和(レッドオーシャン化)してしまいます。その為、IT業界(SES)はニッチな分野で長期的に利益を上げる事が難しい業界と言えます。
公共性
最後に公共性についてですが、IT業界(SES)のサービスは金融システムや医療システム・交通管制システム・通信システムなど幅広い分野で使用されており、それを支えるIT業界(SES)は公共性が高いと言えます。
外食産業
外食産業とは?
外食産業とは、家庭外で食事を提供するサービス業の事を言います。主な業態としては下記が当てはまります。
専門技術
専門技術としては、やや低い業界と言えます。そもそも従業員の大半を非正規労働者で占める業界の為、誰でも出来るように業務が構築されています。その為、その他の業界に比べ高い専門性は生まれない業界と言えます。
初期投資
初期投資についても、店舗開設費用や厨房設備ぐらいなので約500万円となります。その為、資本金が少ない人でも参入が容易であり、価格競争にさらされやすい業界と言えます。
また最近ではFC店などがあり、既に確立されているブランドを借りて新規参入できるビジネスモデルがあります。
法規制
また法規制としては食品衛生法(E-GOV食品衛生法)などがあり、開業する為には食品衛生責任者という資格が必要となります。ただ、難易度としてはかなり低く参入障壁とはなってはいません。(食品衛生責任者の難易度は?参照)
ニッチ性
ニッチ性については、低い業界です。そもそも外食産業のビジネスモデルとしては、一定の価格・品質・サービスを大量に提供するビジネスモデルであり、狭いニーズに合ったサービスや物を提供する事は難しい業界です。
公共性
公共性については、やや低い業界と評価できます。理由としては、多くの人の生活を支えている必需品(電気・ガス・水道など)とは違い、そのサービスがなくても生活を維持することは可能です。
某疫病の影響で外出禁止令が出て外食ができなくなった際も、生活が出来なくなった人は少ないのではないでしょうか?その為、公共性については低いと判断できます。
小売業
小売業とは?
小売業の代表例としては、コンビニ・アパレル・家電量販店・EC通販などがあります。いわゆる安く物を仕入れて、高く売るビジネスモデルの業界です。
専門技術
専門技術については、やや低い業界と言えます。マーケティングや在庫管理の知識や仕入れ業者の管理知識などの必要となります。
しかし、どの知識も専門性が高いとは言えません。現在多くの情報媒体で個人向けや中小企業向けのマーケティング手法、在庫管理手法などが公開されており、誰でも簡単にノウハウが学べるようになっております。(DCSセミナー)
初期投資
初期投資についても、店舗費用が掛かるぐらいなので、低いと評価できます。またECサイトを使用した通販であれば、初期投資がローコストを抑えて新規参入ができるようになります。その為、参入障壁は低く、中小企業や個人事業主が多く参入してくる業界と言えます。
法規制
法的規制においては、商業法・特定商取引法などがありますが、他の業界と比べ法的規制が弱く参入障壁とはなっていないのが現状です。それが証拠に、多くの個人事業主や副業をしている方が小売業(主にECサイトでの運用)に参入しています。
ニッチ性
ニッチ性ですが、取り扱う物次第ではニッチな分野でビジネス展開が可能ではあります。例えば、オーガニック食品専門店・ハンドメイド雑貨店などがあります。その為、マーケティング次第では利益率を高める事は可能です。
しかし、上記でもご紹介した通り現在ECサイトを使用した新規参入者が多く、ニッチな分野を見つけても、早い段階で価格競争にさらされる危険性が高いと考えます。
公共性
公共性についても残念ながら低いと言わざる得ません。こちらも某疫病の影響でスーパーや家電量販店が閉店した際に、生活が出来なくなった人は少ないのではないでしょうか?
代わりにAmazonや宅配サービスを使用した方が多く、既に小売業の代替サービスは存在しております。その為、公共性は低いと判断できます。
不動産業
不動産業とは?
不動産業界は、土地や建物の売買・賃貸だけではなく、その仲介や管理で売上を立てている業界の事を指します。
専門技術
専門技術については、やや低い業界と言えます。宅地建物取引士などの資格は必要ですが、宅建試験の合格率は約15~18%程あり、国家資格の中では比較的合格の可能性が高い資格です(参照:ユーキャン資格宅建講座)。その為、参入障壁としては低いと言えます。
初期投資
初期投資は約200万円ほどあれば不動産会社を開業できます(参照:LIXIL不動産ショップ)。その為、比較的低コストで業界参入できる業界と言えます。
法規制
法的規制は、宅地建物取引業法があり売買契約時の遵守事項や専任の宅地建物取引士の設置義務などが決められております。しかし、残念ながら一部業者では法律違反がまかり通っている状況です(参照:Yahoo!不動産)。その為、参入障壁としての役割は果たしていないと言えます。
ニッチ性
ニッチ性についてですが、やや高い業界と言えます。勿論一般的な不動産業界としては、幅広い層からニーズがある為、ニッチとは言えませんが特定の物件や地域で独自のサービスを提供する事は可能ではあります。例えば投資物件専用の不動産サービス、地方の不動産に特化したサービスなどが例です。
公共性
公共性については、かなり高い業界と言えます。「衣・食・住」の住まいを扱っている業界である事と、経済活動についてもビジネスオフィス、商業用不動産など非常に重要な役割を果たしていると言えます。
まとめ
今回はIT業界脱出で一番重要となる業界選びについてご紹介いたしました。再度まとめると下記の通りです。
脱IT業界で一番重要な事
- なぜ業界選びが重要なのか
- 同じスキルでも業界によって労働環境が大きく変わる
- 業界の利益率が労働環境や離職率に相関している
- ホワイト業界(良い労働環境の業界)の特徴
- 高度な専門技術が必要
- 初期投資が大きい
- 法規制が厳しい
- ニッチな業界
- 公共性が高い業界
- おすすめのホワイト業界
- 化学業界、医薬品業界、医療機器業界、海運・空運業界、インフラ業界
- 絶対避けたいブラック業界
- IT業界(特にSES)、外食産業、小売業、不動産業
もし貴方が今、IT業界で非常に過酷な労働環境に置かれているのであれば、異業界へと転職する事も視野に入れて行動する事が重要となってきます。
何度もお伝えいたしますが、貴方という唯一無二の存在をどこに置くか?これは転職に限らず全ての事で重要です。
貴方の事を安売りし過酷な労働条件で奴隷のように扱う業界・会社・上司とはすぐにでも縁を切る事をお勧めします。それが出来るかどうかで、今後の貴方の未来を大きく左右します。これは私の体験からも確信を持って断言できます。
その為にも正しい知識・戦略を持って転職活動を行うべきであり、それを皆さんに共有するのがこのブログの存在意義だと思っています。
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